家庭のあり方、あまり触れられる事の無い題材を描いた人気アニメの1つの章。
「物語シリーズ セカンドシーズン 〈猫物語〉つばさタイガー」
オススメ度 ☆☆☆☆★ 4/5
・ストーリー
※Netflix引用
・アニメレビュー
物語シリーズは何作も続編が出ていますが、このセカンドシーズン第1〜5話「つばさタイガー」が1番好きで、著者も何度かたまに見返したりもしています。
個人的には、物語シリーズ入門編としてこのつばさタイガーを最初に観て頂くと、この作品の世界観やテンポがよくわかると思います。ただ、この作品のメイン主人公はなかなか出てこないんですけどね。
物語シリーズを知らない方目線で解説すると単純に笑えるシーン、シュールに笑えるシーン、哲学的な興味深いシーンがほどよく噛み合った、あまりシナリオ全体を知らなくても楽しめる作品です。
付け足しておくと、この物語シリーズでは怪異…つまり妖怪みたいな物が題材の小説が原作のアニメですね。
このつばさタイガーでは、頭脳明晰、容姿端麗、純白無垢なこの物語のメインヒロイン「羽川 翼」 が怪異、もっと言えば自分自身と向き合うお話です。
テンポの良い笑い、先が気になるストーリーでついつい見落としがちなのですが、何度も見る価値がある興味深い物語であり人としてのあり方、当たり前の家庭のあり方などを、遠回しにズバズバと教えてくれます。遠回しなのかズバズバなのかどっち着かずなのですが、まさにそう言った感想なのです。
あるシーンで出された料理を議題に日常の食生活について心理学的に話し合うシーン。いえ、話し合いと言うには片方が会話に完全について行けず、欠落した部分を語り合うシーンは、一見すると恋愛的な話題、もしくは物語の前振りとして見えるかも知れませんが、作者が最もこの作品で伝えたかったメッセージの1つなのだと感じました。
《心に残る名言》
・たぶん私は、自分以外の誰かに助けを求める事が出来ないのだ。
・親が子供と仲が悪いというのはね、もう、それだけで"虐待"みたいな物なんだよ。
家族は"居なきゃいけない物"じゃないけれど"居たら嬉しい物"であるべきなんだ。
・自分が馬鹿だっていう事実ほど堪(たま)らない事実はないと、能を持たないカカシも嘆いていた事だし。
・無理だったかも知れない。無茶だったかも知れない。でも、"無駄"じゃなかった。
・嫌な奴になったら嫌ってやる。悪い事をしたら怒ってやる。恨まれたら庇ってやる。頭が悪くなったら…まあ、僕が勉強を教えてやるし、泣いたら慰めてやる。
・私を助けてください。
"助けてください"…こんな簡単な言葉を誰にも言う事が出来ない。誰かにとっては当たり前の言葉が言えない、それが異常だという事すら…それすらも知らない。そんな、誰でも当てはまりそうであり、誰でも否定したい、とても深い物語ではないでしょうか。
「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」「〈猫物語〉つばさタイガー其ノ壹〜伍」
あまり物語シリーズで評価をされていない話なのかも知れませんが、著者は作者の想いが詰まった感慨深いストーリーだと思っているので、もう観た方も観てない方もこの記事の内容を踏まえた上で観てみる事をオススメします。