引き込まれる世界観、物語が終始完結しており満足できる作品です。
「ワールド・ウォー Z」
オススメ度 ☆☆☆☆★ 4/5
※記事欄後半にネタバレあり
・ストーリー
謎のウイルスによって、突如凶暴化する人々。元国連捜査官が調査の中で目撃したのは、全世界で爆発的に拡大する感染と混乱。人類に残された時間は、あとわずか。
※Netflix引用
【ジャンル】
SFホラー、ゾンビ映画、サイレントスリラー
※パニック映画でも無くはないですが、その点はあまり良くはなかったです。
この映画の作者はそこを重要視していなかった気がします。
・映画レビュー
ゾンビ映画としては、とても完成されています。
オススメのゾンビ映画は?と聞かれたなら名前を出しても差し支えないくらいのクオリティ。
他のゾンビ映画で比較的多い、その場のノリや勢いで、とりあえず切り抜ける事はあまりなかった作品。
ゾンビ映画暗黙のタブーである”返り血を浴びて平気なのか”というシーンまで地味に描かれている点はポイント高いです(笑)
- おすすめポイント
映画の内容は、たとえ映画ファンでなくとも素晴らしいと思って貰えるはずです。
ハイテンポなシーン、ゆったりと流れるシーン、起承転結の「起」となる導入部もしっかりと丁寧に描かれており、物語の伏線となるシーンも解りやすくしっかりと張ってきます。
他のゾンビ映画は基本 ”噛まれたらゾンビ” それ以上の情報を必要としていません。
なぜならゾンビ映画とは ”数の暴力” ”絶対に敵わない存在”
被害者側の視点であり、被害にあわない…”ゾンビに噛まれない” という目的を重視しています。
この映画では、ゾンビそのものを”悪”ではなく”謎”として描いているように感じました。
なぜ、平凡な日常からゾンビは出現したのか、弱点はないのか、この事態を終わらせる方法は本当にないのかといった謎を、まるで推理映画でも見ているかのような感覚で観る事ができます。
ゾンビ映画なのに主人公があまり戦わず、血の描写も少ないので日本人でも比較的に観やすいとも感じましたね。
ですが、最後に少しだけ残念な点をあげると物語の中盤のある街に立ち寄ったシーン、この映画にゾンビ映画としての緊張感、パニック要素が足りないと感じたのか、本当に同じ脚本家が作ったのかと思えるくらい明らかに無理がある、勢い重視のシーンがあったのは少し残念な点ですね。
おそらく何度も観たい名作…とまではいきませんが、
「ワールド・ウォー Z」ゾンビ映画としては良く出来ており、世界観もしっかりしているので良ければ是非一度、ご覧ください。
(以下の内容はネタバレを含みます)
・映画を見た後の感想
なぜ人を見てドアや窓ガラスに頭から突っ込むゾンビばかりではないのか。
人間を音で探知している設定のはずなのに明らかに目で見てるということ。
そして、最大の疑問は襲われなかった(避けられた)持病持ちの人はどこに行ったの?
といった疑問を著者は持ちましたが、映画時間2時間でこの仕上がり具合、世界観のゾンビ映画なら個人的には大満足です。