目覚めると…俺は箱の中にいた…。
「リミット」
☆☆☆☆★ 4/5
・ストーリー
イラクで働くアメリカ人ポールは襲撃を受け、目覚めたら棺に入れられ土の中にいた。手元には携帯電話、ライター、ナイフ、ペン、酒。果たして脱出できるのか?
出演:ライアン・レイノルズ、 ホセ・ルイス・ガルシア・ペレス、 ロバート・パターソン
※Netflix引用
・映画レビュー
怖い映画、サスペンスが苦手な人でも楽しめるスリラー映画です。
映画内では人は死にません。なぜなら、最初から最後まで箱の中にいるからです。
ですが、マンネリ化することなく90分間ほどよい緊張感があります。
大体のスリラー映画はお金が掛からない事がほとんどですが、この映画は本当にお金が掛かっていません。ですが、下手なアクション映画等よりは遥かに満足できます。
この映画の主人公は、ただの平凡な運転手です。
家庭もあります。家族もいます。
そして、特殊な能力もなければ、正義感が特別強い訳でもありません。
主人公はとても口が悪いですし、ちょっとした精神障害も持っています。
きっと他の映画なら名前すら出てこないモブキャラなのかもしれません。
この映画には回想シーンもなければ、箱の外に場面が切り替わるシーンもありません。
普通、映画のよくあるスタイルとしては、昔の家族や娘との思い出を回想シーンなどで思い出したりする事で、主人公と視聴者の共感を高めようとします。
ですが、この映画では自然と主人公にとても共感を持ててしまいます。
主人公に「なんとか助かってほしい」と思ってしまいます。
その理由は作品を観て頂ければ、すぐにわかる筈です。
この作品の最大の見どころは「携帯」ひとつで物語が展開していき、
普段、人々が何気なく使っている”ただの”電話の留守番電話機能、自動音声機能をとても怖い物として描かれ、顔が見えないからこその恐怖があります。
最終的には、だんだん恐怖の対象が密室からの不安や犯人から、人間へと変わっていきます…
低予算でありながら、音楽の使い方、カメラワーク、とてもよく出来た作品です。
以上「リミット」レビュー記事でした。